画面左側には団扇を持ちながら子犬に手を伸ばす黄色のドレスを身に着けた婦人と、鮮やかな赤い衣服を身に着けた男女、濃緑色の衣服を着た従者、さらに左端に酒盃を掲げる男女一組が描かれており、その背後には薔薇らしき花が咲いている。
登場する人物は何れも優雅な身のこなしで軽やか(かつ自然体)に描かれており、本宴の穏健で雅な雰囲気をより的確に感じさせる。さらにモンティセリの最も特徴的な個性である荒々しく大ぶりな筆触と感情性を感じさせる鮮やかな原色の使用は観る者の目を奪うばかりである。
本作の制作意図や目的は現在も不明であるものの、情感豊かな詩情性と、中央に青色を配し適度に斬新性を感じさせる絶妙な色彩構成、登場人物たちの優美な運動性などはモンティセリの作品の中でも特に秀逸の出来栄えを示している。
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