アラブの祭りに参加する群衆。本作は画家が1881年に旅行したアルジェリア滞在時に同地で制作した数点の作品の中の一枚で、やや高位置の視点からアラブ(アラビア)の祭りの様子を描いた作品である。
生命力と活気に溢れる人々の塊。本作の燃えるように強烈な陽光の描写やアルジェ独特の風土感、喧騒とした祭事の表現はルノワールの画家としての偉大さが良く表れており、特に渦巻くような群衆全体をひとつの塊として捉えた時の表現は見事である。
清涼感に溢れたイスラムの寺院と海の色彩。画面左上部分に描かれる遠景には白壁が非常に美しいイスラム教の寺院が配されており、さらに遠景の澄んだ海の青色と隣り合うことで得られる清涼感は観る者の心象に強く浸透する。
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