印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネの作品のひとつ『サン=ドニ街、1878年6月30日の祝日』。1877年に開催された第3回印象派展への出品され、好評を博したと伝えられる作品である本作に描かれるのは、パリ万国博覧会の関連として、パリ・コミューン後、政治体制が第三共和制となったフランスで初めての国民の祝日を祝うサン=ドニ街の情景である。
また画面中央から上下で明確に分かれる光の描写にも注目したい。なおモネがこの祝日の熱狂的な情景を描いた作品として、本作である≪サン=ドニ街≫版と、オルセー美術館が所蔵する≪モントルグイユ街≫版の2作品が知られており、双方とも労働者階級が住まう街であった。
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