《エル》シリーズのうちの1点.関連する素描としては,Dortu D・4・055, D・4・121, D.4.273,D.4.277を参照.しかしバリーの動物彫刻は, 単なる自然科学的な図解では決してない. 動物の表面的なリアリズムを越えて.動物解剖学の徹底した知識に支えられた体内の構造についての正確な認識が見られる.
このことは骨や鍵の細部を描いた素描や,バリーが構成に役立てるための補助作品として組み立た.動く骨格模型にはっきりと見てとれる. 彫刻家のロダンは.1860年代に短期間だが互いに打ち解けて習作を行なったが.バリーの制作の手順は対象の内から外へと向かうのだ,と後に述べている.