印象派を代表する大画家エドガー・ドガ随一の傑作『舞台の2人の踊り子』。本作は画家が数多く手がけたバレエの踊り子(バレリーナ)を画題とした作品の中の一点で、本場面が本番公演の最中を描いたものであるか、練習風景の場面であるかは定かではないものの、ドガの卓越した個性的な絵画表現が随所に示されている点は大いに注目すべきものである。
やや高い視点から描かれる2人の踊り子は互いに視線を交わし合いながら、バレエの基本的なポーズをとっている。ドガの鋭い観察眼によって感情豊かに描かれるその表情は練習中のようなリラックス的雰囲気を見せているものの、姿態の間接部分など要所要所ではきびきびとした肉体的緊張が感じられる。

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